超音波、心電図、動脈硬化指標など統合システム化

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2013年12月2日月曜日

 いまの日本のカルテ開示の状況はどうなっているのでしょうか。

 いまの日本のカルテ開示の状況はどうなっているのでしょうか。  実は、カルテ開示は2005年4月から、大部分の医療機関にとって法律上の義務になっているのです。カルテ開示は事実上法制化されていたのです。  カルテ開示法制化? そんなのいつの間に決まったの? という方も多いのではないでしょうか。  カルテ開示というのは「本人が求めた場合いつでもカルテ(看護記録なども含むすべての医療記録)を見せ,コピーも認める」というものです。もちろん本人が求めない場合は開示しません。でも本人が求めた場合は,洗いざらいすべてを見せます。でも日本の患者の多くは、自分たちにそんな権利があると十分知っているのでしょうか。あまりマスメディアもそういう報道はしていません。 法制化は「決まってしまった」のかも  タネ明かしをしましょう。日本のカルテ開示は,2004年5月に成立した個人情報保護法という法律で「決まってしまった」のです。なぜ「決まってしまった」と書いたかというと、関係者の中には本当に「よくわからないうちにカルテ開示法制化が決まってしまった」と受け止めている人もいるからです。  そもそも,カルテ開示を法律で義務化すべきかどうかについては,これまで長い間,患者団体や医師会など医療関係者の間で議論されてきました。そしてこの問題が、初めて国の公の検討会で議論され始めたのは1997年設置された厚生省の「カルテ等の診療情報の活用に関する検討会」でした。この検討会ではいったん「法制化が必要」という結論になったのですが、その後医師会側の強い反対があり当時の厚生省は、法案化を見送りました。 その後、厚生省の医療審議会が1999年7月に「医療提供体制の改革について(中間報告)」で、「今後、インフォームド・コンセントの理念に基づく医療を一層推進するためには、医療従事者が、患者への説明の一環として、診療録等の診療情報の患者への提供を積極的に行っていくとともに、患者が診療記録の開示を求めた場合には、原則として診療記録そのものを示していくことが必要である。」として、今後法制化に向けた準備をするべきだという趣旨の意見をしました。このあと3年間の猶予期間が設けられて、その間に、医療関係者による診療情報の提供に向けた自主的な取組を行うとともに、国も診療情報の提供の普及・定着に向けた環境整備をすすめることになったのです。  その最終年度に当たる2002年7月に、このカルテ開示法制化の問題に最終的な決着をつけるべく「診療に関する情報提供等の在り方に関する検討会」が設置されたのです。長い議論ですが、なぜ長引いているかというと、患者側の意見と医師会側の意見が次のように食い違っているからです。 患者「欧米並みにカルテ開示を法制化すべきだ」 医師「信頼関係のもと,自主的に開示しているので,法律で決める必要はない」 患者「やましいところがないなら,法律で決まってもいいじゃないか」 医師「医師を信用してほしい。法制化はあくまで反対だ」  蛇足ですが,この論争,夫が風呂に入っている間に携帯のメールをチェックする奥さんと夫の論争に似ています。 夫「なんで人の携帯見るんだよ」 奥さん「何よ,なんか私に言えない秘密があるわけ?」 夫「そんなこと……あるわけ……ないじゃないか」 奥さん「それならいつチェックされても平気でしょ」 夫「そ……そうだよな」  この論争は明らかにダンナさんの完敗ですが,日本医師会は2002年7月に設置された厚生労働省の「診療に関する情報提供等の在り方に関する検討会」でも「個別の法制化は必要ない」と論陣を張りました。 個人情報保護法第25条の衝撃  実は,この検討会が審議を続けていた2003年5月に,国会で個人情報保護法が可決・成立しました。この法律の第25条にはこう書かれています。 「第25条 個人情報取扱事業者は、本人から、当該本人が識別される保有個人データの開示を求められたときは、本人に対し、政令で定める方法により、遅滞なく、当該保有個人データを開示しなければならない。」  わかりにくい文章ですが,この条文にいう「個人情報取扱事業者」の中に医療機関も含まれています。そしてカルテは「当該本人が識別される個人データ」です。この個人データについて本人(患者)から開示を求められたときは「本人(患者)に対して、遅滞なく(すぐに)開示しなければならない」というわけです。  ただしこの法律が規制対象としているのは,概ね5,000件以上の個人情報を取り扱う事業者、となっています。ほとんどの病院は5,000件以上のカルテを保管していますから、当然個人情報取扱事業者ということになります。厚生労働省の調査では、個人開業医などの診療所でも平均のカルテ保存数が6,000件程度ということなので,一部を除いて大部分の医療機関が,法律の規制の対象になる「個人情報取扱事業者」となるわけです。これを踏まえて法律の文章を翻訳すると「(ほとんどの)医療機関は、患者の求めがあればすぐにカルテを開示しなければならない」となります。まさにカルテ開示の法制化ですね。 厚生省主管の法律ではないから?  もちろんこの個人情報保護法第25条は,もともとカルテ開示の推進を意図してつくられた条文ではありません。自分の個人情報が、企業などに勝手に収集され,目的外に使用されたり,第三者に流出するといったプライバシー侵害の事態が多発していることへの対策として定められた法律です。そうした被害を防ぐための手段の一つとして、本人が自分の個人データを確認したいと求めてきたら、確認させなさいと「業者」に求めているのです。当然といえば当然の権利ですね。むしろ今まで,カルテに載っている患者の医療情報を「患者の個人情報=プライバシーのひとつ」と考えてこなかったかつての医療の世界のほうが「非常識」だったのかもしれません。 この法律は内閣府のホームページに掲載されています。つまりこの法律はカルテ開示を法制化するかどうかで議論をしていた厚生労働省が主管する法律ではないわけです。だからすんなり決まったという部分もあるかもしれません。 どうもすっきりしない気分  さて,長年カルテ開示という患者の権利を法律で保障することが必要だと考えてきた私としては,ようやく日本でもカルテ開示が法制化されたか、先進国並みになったか、よかったよかったと喜びたいところなのですが,どうもすっきりしません。この法律が完全施行された2005年4月になっても、国民の多くが,患者の権利としてカルテ開示が法律で保障されたと考えているとは思えないからです。  責任はマスコミにもあります。個人情報保護法が成立した当時,新聞やテレビは「この法律の成立によって報道の自由が奪われるのではないか」という論点を中心に伝えていました。このままでは政治家のスキャンダルなどが取材できなくなるということばかりが強調されたのです。そうした報道の中で,この法律が,実質上のカルテ開示を法制化したものであることが,国民に広く十分理解されたとは,とてもいえません。  一方日本医師会の側も,患者側や関係団体側との話し合いの上,納得ずくでカルテ開示の法制化を認めたわけではないので,すっきりしないのではないでしょうか。日本医師会はずっと以前から「カルテ開示は必要だけれども、それは医師と患者の信頼関係に基づいて自主的に開示するものであって、法制化をする必要はない」という基本的な考え方です。それは変わっていないような気がします。  特に個人情報保護法第25条には「(個人情報を)開示することにより,業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合は,その全部または一部を開示しないことができる」という例外規定があります。今後,この文言の解釈をめぐって,患者と医師の間で「見せろ」「見せない」という,さまざまな軋轢が起きることが容易に想像されます。前途は多難といわざるを得ません。

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