2011年3月25日金曜日

心筋梗塞の発症リスクを高める遺伝子を発見:三重大グループ

心筋梗塞の発症リスクを高める遺伝子を発見:三重大グループ
がん、脳卒中と並ぶ三大成人病の一つで、年間約5万人が死亡する心筋梗塞の発症に関与する2つの遺伝子を、三重大学の山田芳司教授(分子遺伝疫学)らの研究グループが世界で初めて発見しました。研究結果は、欧州動脈硬化学会誌「Atherosclerosis」とその電子版に掲載されています。心筋梗塞の遺伝的リスク検出法として特許を出願中で、個人の遺伝子情報に基づいた生活習慣病の予防につながると期待されています。
山田教授らは、A・T・G・Cの塩基で構成されるヒトゲノム(全遺伝情報)について、個人ごとの細かな配列の違いに着目。日本人と韓国人のゲノム(計1万7400人)を比較した結果、「BTN2A1」という遺伝子の塩基配列で、特定の部分がCからTに置き換わっていると、血管を詰まらせる血栓の形成が促進され、心筋梗塞の発症率が約1.5倍に高まることを発見しました。
また、遺伝情報に基づいてタンパク質を調節しているILF3遺伝子の3種類のうちG型の2種類を持つ人の場合も、心筋梗塞の発症率が1.35倍になることがわかりました。しかし、この遺伝子が心筋梗塞の発症にどういったプロセスで関与するかまでは判明しなかったとのこと。
生活習慣病の発症には、食事や喫煙などの環境要因にくわえて、遺伝要因も関係すると考えられてきました。今回の研究結果を踏まえて、山田教授は「遺伝情報を活用して、一人一人に適した予防や治療法の開発につなげたい」としています。
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